研究所関連書籍

自閉スペクトラム 「自分のこと」のおしえ方 増補版:特性説明・診断告知マニュアル 小学生から大学生まで

Amazon等で発売が開始されました。

 

初版は親御さんに連れられて専門家と出会う子どもたちを想定して執筆しました。

当時の私の臨床が親に連れられて来院・来所する子どもたちを対象としていたからです。

大学生や社会人ももちろん主治医として担当していましたが、彼らはいずれかの時期に親に連れられて出会った「元・子ども」たちでした。

その後、複数の大学で学生面談を担当するようになり、青年期以降に初めて専門家と出会う人たちへの支援が私の臨床の中心となっていきました。

 

「元・子ども」である大学生たちと、最初から相談の主体として出会った大学生たちには、当然、臨床像の違いがあります。

しかし、一旦、面談・診療が始まれば、相談経過にかかわらず、むしろ多くの共通点を感じました。

違いの大きさに心しなくてはならなかったのは、周囲の大人たちの彼らへの対応や用意されている仕組みの違いでした。

 

増補版では、こうした大学での臨床実践を踏まえて、子ども時代・青年時代の自閉スペクトラムの人たちを支援する人たちに向けて執筆しました。

子どもを支援する大人だけでなく、大学生たちを支援する大人にも手に取っていただければ幸いです。 吉田友子

 



高機能自閉症・アスペルガー症候群「その子らしさ」を生かす子育て

「本書は知的なレベルが境界・平均・平均以上のASDの子どもの親向けに書かれていますが、内容の多くは知的に低い〜極めて低い子どもにも当てはまります。また本書は専門家の必読書でもあります。本書によって専門家は親が直面している困難への理解を深めることができるでしょう。

…第3章の最後で、著者は親の感情とニーズに向き合っています。ここでは、親と家族全体に自閉症が与える影響について著者の共感と深い洞察が鮮明に示されています。(ローナ・ウィング先生、英語版前書きより)」

 

改訂版帯解説文より

<まずはこの一冊!子育てに悩むご両親に絶大な支持を集めるロングセラーを大幅改定。内山登紀夫先生推薦。親御さん、先生にぜひおすすめしたい一冊> 

 

改訂版では、「社会性の伸びとは」「きょうだい児同士が出会う機会を」などの項目が追加され、多くの箇所で表現の修正やデータの入れ替えがなされている。 

 

 

初版

 

改訂版

英語版



あなたがあなたであるために 自分らしく生きるアスペルガー症候群ガイド

アスペルガー症候群をもつ子ども自身に向けた解説書。

「本書では…アスペルガー症候群の人が毎日の暮らしの中でどんな困難を経験するかが詳しく検討されその対処法について豊富な実例とともに細やかで具体的な提案がなされています。…本書の特筆すべき点の一つは、アスペルガー症候群のもつ多くのポジテイブな面を強調するというヨシダユウコの方針です。…本書はアスペルガー症候群をもつ中高生にとって(あるいはどんな年齢の大人にとっても)良い手引きとなるだけでなく心の支えと慰めをも与えることでしょう。(ローナ・ウィング 監修の言葉より)」

 

「アスペルガー症候群をもつ人やその家族にこの本をぜひお勧めしたいです。・・・特別な興味の章(=『趣味に関する5つのトラブル』)もとても魅力的で、私はあなたのスタイルをおおいに味わいました。私のThe Complete Guide to Asperger’s Syndromeと、あなたの『あなたがあなたであるために』は相補う2冊の本だと思います」(2007/3/7 児童精神科医 トニー・アトウッド先生より)

 

 

 

英語版



高機能自閉症・アスペルガー症候群入門ー正しい理解と対応のためにー

前半ではよこはま発達クリニックの医師と言語聴覚士が、高機能自閉症・アスペルガー症候群の行動特徴について分かりやすく解説し、支援方法についても概観。行動療法が有効だった例やTEACCHメソッドが有効だった例など豊富な例示は読者の理解を助ける。また本人への診断名告知に関しても具体的に記載されている。各スタッフの記述には支援者としての基本理念が明確に共有されており、読者は分担翻訳書では得られにくい安心感をもって読み進めることができる。

 

後半では実際に教育現場で子どもに対応する教師が豊富な経験に基づきアドバイスを行っている。WISC、K-ABCなど用いられることの多い心理検査についても解説。



自閉症スペクトルー親と専門家のためのガイドブックー

「アスペルガー症候群」「自閉症スペクトラム(スペクトル)」「積極奇異型」といった用語の提唱者でもあるローナ・ウィング博士による全般的解説書。

 

自閉症は子育ての失敗が原因とされた時代に自閉症のお嬢さんを育てながら専門家として真実を探求し続けてきたウィング先生の揺るぎない姿勢は、豊富な臨床経験に基づくアドバイスとともに読者を勇気付けてくれる。この領域に携わる者の必読書。



自閉症の人のライフサポートーTEACCHプログラムに学ぶー

各年齢帯の自閉症の子ども・おとなにかかわっている専門家たちが分担執筆。幼児期から成人期まで自閉症スペクトラムの人がおかれた日本の現状と向かうべき場所をイメージするのに適した入門書。

 

第2章「自閉症とは」(内山・吉田):自閉症~アスペルガー症候群~定型発達の連続性を強調するためにオレンジジュースの例えが用いられていたが(一口飲めばオレンジジュースと分かる濃さが自閉症、飲んでも元が何のジュースか分からないような薄い色水がアスペルガー症候群)、自閉症とアスペルガー症候群を軽重と誤解させる危惧から2004.11の第6刷ではこの表現を削除。大幅な加筆修正がなされている。