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主治医として中学生たちを担当することが多かった15~20年前には、宿題が出たのかどうかわからなくて困ると親御さんやご本人からよく相談されました。
小学校では帰りの会や連絡帳があったのに中学校ではこれら情報確認の手立てがなくなってしまうことは、口頭指示を聞き取ることが苦手だったり同級生からの情報入手が困難な子どもたちにとっては切実な問題でした。
そこで、宿題が出たことを授業中にその場で彼らが記録できるようにiPEC宿題帳(日々版と都度版)を作成しました。
各ご家庭でその子の時間割に合わせてカスタマイズすることで、記入の負担を小さくした記録ノートです。
大学では、中学・高校以上に、授業ごとの出席数/欠席数や課題提出を自分自身で管理する必要が生じます。
大学生の面談や診察では、自分の出席状況や課題の内容・期限が曖昧なまま不安な日々を過ごしている事例が稀でなく、それらが不登校や学業不振の引き金になっている事例にもしばしば出会います。
彼らの手助けとなるように、宿題帳を改変して大学生のための「出席・課題の自己把握シート」を作成しました。
各自が自分の時間割に合わせてカスタマイズし、1週間分の出欠と課題(宿題)をA4・1枚で見渡せるようなシートです。
コロナ禍で学生面談をウェブで行わざるを得ない状況となり、情報を得るための工夫がこれまで以上に私たち支援者にも求められています。
「自己把握シート」の活用によって、口頭説明を求めるよりも学生の心理的負担が軽減し面接時間が短縮できる場合があります。
ただし学生のコンデイションや支援者との関係によっては、シート記入が学生にとって過重負担となる場合もあり、記録提出を求めることで虚偽報告を誘発してしまう危険性もあるでしょう。
他のツールと同様に、自己把握シートの使用に際しても十分な適応判断が必要です。
この把握シートの知的所有権はiPECに所属しますが、臨床のための利用には事前・事後のご報告は不要です。
どうぞ皆様の臨床にご自由に活用してください。
©️iPEC2020 のクレジットを削除せずご利用くださることをお願いいたします。
大学の教職員向け研修会で「コロナ禍での学生対応」というテーマでお話しさせていただきました。
講義の補助資料ではありますが、ご参考にスライド原稿をアップいたしました。
(ご活用いただく際は出典の明記をお願いいたします)
コロナ禍は私たちにさまざまな不安と不自由をもたらしました。
一方で、クリニック外来(医療化した事例)でも大学の学生面談(医療化していない事例)でも、登校不要のウェブ授業となってから授業理解が向上し情緒と生活が安定した学生たちが少なからずいることを実感しています。
ウェブ授業教材を工夫して作成された大学教員の皆さまのご尽力のおかげと感謝しつつ、コロナ禍は大学での合理的配慮のあり方そのものに一石を投じる貴重な体験となりえるのではと感じています。
2020年現在、東京女子大学・立教大学・明治大学の3大学5キャンパスで、発達の偏りが疑われる大学生の面談を担当しています。面談ではいくつかの手作り資料を使っています。
手作り資料は、限られた時間での誤解の少ない情報共有を目的として、あるいは、説明しながら書き込んで視覚的に確認するための用紙として、さらには、お持ち帰りのお土産として、活用しています。
発達の偏りが疑われる大学生といっても、本人は現在の困難と発達特性との関連を疑っていない場合もあれば、「ADHDではないでしょうか」と訪ねてくる学生まで、さまざまです。
「診断を知りたい」「医療機関を紹介してほしい」と保健室・学生相談室を訪ねてくる学生であっても、右から左に医療機関につなぐことが臨床上有益とは思われない場合も多くあります。そんなときには、今回公開した資料を使って面談を行います。
診断名を知ることは自分に関する情報収集のキーワードを手に入れることでもある等、この資料に記載されていない利点もあります。
この資料は、できるだけ簡潔に、吉田個人の学生面談を補助する基本用紙として作成しました。
また当然のことながら、𠮷田個人の臨床上の見解にもとづく内容・表現となっています。
上記の点をご承知いただいたうえで、みなさんの臨床にお役立ていただければ幸いです。
ダウンロードは無料ですし、臨床活用に事前・事後のご連絡も不要です。
ただし、知的所有権はiPECに帰属しますので、出典を明記しない活用・公開・転載はお断りします。
𠮷田 友子